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Smart

Flesh

スマートフレッシュ技術の概要

 

 

収穫を終えたりんごなどの果実は、常温または冷蔵倉庫、あるいはCA貯蔵施設で貯蔵されます。スマートフレッシュの処理は収穫後、貯蔵の前に12時間から24時間行います。

 

スマートフレッシュの有効成分である1−メチルシクロプロペン(1-MCP)は、果実が自然に生成するエチレンに似た単純な炭化水素です。水を加えると、1-MCPは気体として放出され、貯蔵施設内に均一に拡散します。1-MCPは果実のエチレン受容体と結合し、果実の呼吸と成熟スピードを遅らせます。

 

さらに、貯蔵庫から出した後もエチレン生成を抑制し、成熟を遅らせる効果は持続します。

スマートフレッシュを使うことにより、通常の貯蔵、輸送および小売の全段階を通じて、より優れた品質の製品を消費者に届けることができるようになります。 収穫時の硬さ、みずみずしい食感、きれいな外観を保った果実は消費者にとって魅力的であるだけでなく、流通段階での廃棄ロスを減少させるため、流通業界にとっても大きな利点となっています。収穫後の鮮度保持技術、特に冷蔵技術は根幹となるシステムですが、スマートフレッシュはこうしたものを補完する新技術であり、従来の貯蔵方法と組み合わせ

ることでより大きな効果を発揮します。

 

果実や野菜は収穫した後も成熟が進むため、成熟が進行しすぎることにより品質が低下します。これは、果実や野菜自体が生成するエチレンが原因です。エチレンは、ほとんどの果物、野菜、花および植物の組織内で生成され、成長と成熟を助ける働きをしますが、時間の経過とともに老化と腐敗をもたらします。場合によってはエチレンが原因となり貯蔵している果実に障害が発生することもあります。

このような場合にスマートフレッシュ技術を使うことで、エチレンの悪影響を防ぎ、食感、硬度、味および外観を維持することができ、果実の廃棄ロスを減少させることも可能になります。

 

エチレンは100年以上も前に植物内の天然の活性成分として同定されたものの、実際に果実や野菜の生育に不可欠な役割を果たしていることが証明されたのは、それから60年が経過してからのことでした。エチレンが新鮮な果物の成熟を促し、最終的に腐敗に至るまでの要因となっていることが明らかになったのです。従来の技術や新しい技術を使って、りんご、プラム、桃、アプリコット、トマト、キウイ、アボカド、柿、バナナ、メロンなどクライマクテリック型果実に対してエチレンの発生を抑制することにより、成熟をコントロールすることが経済的にも重要となります。

 

エチレン受容体の存在とその研究結果が広範に知られるようになると同時に、エチレン作用の抑制因子の働きをする別の分子を見つけるための研究が進められました。この研究が成功し、90年代初めE.C.SislerとS.M.Blankenshipが1-メチルシクロプロペン(1-MCP)を発見しました。1-MCPには、自然に発生するエチレンによる成熟および腐敗プロセスの進行を阻止して果物の品質を維持するというユニークな作用があります。

 

研究者により発見された技術は、AgroFresh(アグロフレッシュ)により、1-MCPのスマートフレッシュ製剤として実用化されました。この製品は1-MCPを3.3%含む可溶性の粉末で、これを水に溶かすとガス状の1-MCPが放出されます。気中に蒸散した1-MCPがりんごに触れるとすみやかに浸透し、その呼吸作用と成熟速度を抑えます。処理された1-MCPはその後代謝され水、二酸化炭素などのような簡単な化合物へと分解していきます。果実も人がするように呼吸し二酸化炭素を排出します。

スマートフレッシュが軟化を遅らせるメカニズム

 

  通常の成熟                  スマートフレッシュを処理した場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柿は 収穫 移動 脱渋 選果 温度 風 等に ストレスを感じてエチレンを放出し始めます。その為、十分な効果を得るには 収穫後できるだけ早く処理します。

また樹上で熟度が進んでいる場合効果は低下します。

脱渋処理の必要な品種 (刀根、平核無 等)​

処理手順

 

1-MCPの比重はCO2と同じくらい(空気より重い)ですが、 念のため  

CO2充填が完了してから放出します。

 

パウチが溶けて薬剤が水に触れるとガス化が始まり1~2時間で放出されます。

 

(処理時間) ファン等でゆっくり攪拌しながら 12時間から24時間密閉して処理します。

 

(注意) パウチは水に触れると溶けるため 処理時には手や処理装置が濡れていないか確認します。

 

〇 脱渋に影響はありません。 糖度、食味には影響ありません。

 

(参考) スマートフレッシュの登録内容(抜粋)

日本での登録作物  かき なし りんご

かき (使用量)34~68㎎/㎥ (くん蒸時間) 12~24時間 (使用時期) 収穫直後~2日後

   (使用回数) 1回

                 問い合わせ  株式会社 和 農  tel 0736-69-0808

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